馬
軍用馬
軍事に使用される馬。歴史的には戦車(戦闘馬車)や騎馬兵の乗用動物として駆使され、モンゴル帝国が騎馬弓兵で世界を圧し、英国やフランスの騎士や日本の武士が弓馬を専らにした。第二次世界大戦までは世界各国軍に当たり前に存在した。アメリカの騎馬隊が有名で、アメリカ陸軍に歴史的経緯上、騎馬隊という名称が残り、軍パレードなどセレモニーに駆り出されるような場合以外はさほど活躍しない。その場合軍用馬は血統正しい競走馬から選ばれ徴用される。そして軍の施設で管理され、飼育される。
軍馬
軍馬(ぐんば、war horse)とは、戦闘時の騎乗などができるよう特別な訓練を受けた軍用馬のことである。
軍馬の歴史
戦場における馬の使用のうち、記録に残された最古のものは紀元前19世紀、戦車(戦闘馬車)としてのものである。 騎馬として用いられた最初の例は、ユーラシア遊牧民、特にパルティア人馬弓兵によるものだったと考えられている。
鞍の発明はかなり早くになされていたが、軍馬史上最も重要な発明はおそらく鐙である。鐙は7世紀ころ登場し、モンゴル人などの遊牧民族に対して決定的な軍事的優位性を与えた。
8世紀、北アフリカ及びイベリア半島を征服したムスリムの戦士たちや、コマンチ族やシャイアン族といったグレートプレーンズのインディアンは軽騎兵の能力を誇示していた。
中世において、重い鎧をまとった騎士を戦地に乗せていく強さとスタミナを備えた大型の馬は、人々から高い賞賛を受けた。デストリア種などとして知られるこれらの馬は、サイズだけでなく脚の速さや調教のしやすさも重要なポイントであった。軍馬に対しては維持・訓練・装備などに多大な費用と手間がかかり、気軽に保有するというわけにはいかなかった。ベルジアン、ペルシュロン、シャイアといった現代の輓用馬は、昔騎士を乗せていた大型馬の子孫である。
中世後期から近世初期にかけて、マスケット銃といった軽火器が発達を遂げた。これにともない、敏捷な軍馬に乗った騎兵は戦闘・伝令の両面において活躍した。
16世紀、コンキスタドールたちにとって馬は特に有用だった。スペイン人がアステカやインカ帝国を征服した際、馬と銃は絶大な力を発揮した。アメリカ大陸においては約1万年前に馬が絶滅していたため、アメリカ先住民族たちはヨーロッパ人達にすぐには対応できなかったのである。
第一次世界大戦では各国が騎兵を用いていたが機関銃の発達による塹壕戦の展開により軍馬は最前線での価値を失い、主に輸送用として使われるようになっていく。
このような背景には馬に鎧を着せてもライフル弾を防ぐことはできず、背の高い馬は的になりやすく被弾すると容易に戦力的価値を喪失するという理由があった。
明治時代の近代化に伴い大日本帝国では軍馬を飼育生産管理するための法制度が整備される。
- 1906年(明治39年)、勅令によって内閣馬政局が設置された。
- 1922年(大正10年)、馬籍法の公布によって、飼育される全ての馬は「馬籍」に登録する義務が出来た。
- 1924年(大正12年)軍馬の改良と増殖のため「競馬法」を制定する。
- 1939年(昭和14年)4月に軍馬資源保護法が公布され、毎年の検査で軍用保護馬に指定された馬の所有者は、一定の管理や「鍛錬」への参加などを行ない、大日本帝国陸軍による徴発にそなえる義務を負うようになった。
- 1945年11月21日、勅令第643号「昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ニ基ク軍馬資源保護法廃止等ニ関スル件」によって軍馬資源保護法は廃止された。
軍隊での軽騎兵の使用は20世紀まで続いたものの、内燃機関を搭載した戦車の発達にともない、次第にその地位を追われていった。
騎兵はもはや過去のものになったと思われがちだが、第三世界の国々の中には今だに小規模な騎兵を用いている国がある。ただし、騎兵を用いる対象は非武装の難民などが中心で、ダルフール紛争におけるジャンジャウィード民兵などがその例である。
軍馬の調教
軍馬を単に鎧をまとった馬と思っている者も多いが、それは誤解である。軍馬として活躍する馬には、血液の匂いを嫌がらず、人を踏みつけることをいとわないことが求められる。軍馬の調教の一般的な内容として、手綱を用いずとも反応し、周囲の戦闘音に耐え、騎兵が用いる鎧と武器に慣れさせることを目的とする。軍馬の中には敵兵を蹴ったり、噛み付いたりするよう訓練されたものもあった。
ウマ(馬)
ウマ科の動物の馬(ウマ)について説明しています。
ウマ(馬)は、ウマ目(奇蹄目) ウマ科に属する動物の総称。現生は、いずれもウマ属に属するウマ、シマウマ、ロバの仲間、5亜属9種のみである。狭義の「ウマ」は、このうち特に種としてのウマ
Equus caballus のみを指す。
社会性の強い動物で、野生のものも家畜も群れをなす傾向がある。北アメリカ大陸原産とされるが、北米の野生種は、数千年前に絶滅している。欧州南東部にいたタルバンが家畜化したという説もある。
古くから中央アジア、中東、北アフリカなどで家畜として飼われ、主に乗用や運搬、農耕などの使役用に用いられるほか、食用もされ、日本では馬肉を桜肉と称する。
学名の Equus はインド・ヨーロッパ語でウマを意味する ekwos に、種小名の caballus は中央アジア-スラブ-フィンランド語系でウマを意味する kaval に由来する。日本語の「ウマ」は、モンゴル語の morin に由来するという説があるが、「梅(うめ)」などと同様、直接的には「馬」という漢字の字音(マ)によると考えるのが妥当であろう。
なお、道路交通法上、馬が引く車および人の騎乗した馬は軽車両に分類される。
なお、日本語で馬の鳴くのを特に「いななく」(動詞)ということがあり、古くは「いばゆ」(下二段動詞)といったことがある。馬は凶暴という噂があるがそんなことない。
分類 |
界: |
動物界 Animalia |
門: |
脊索動物門 Chordata |
亜門: |
脊椎動物亜門 Vertebrata |
綱: |
哺乳綱 Mammalia |
目: |
ウマ目(奇蹄目) Perissodactyla |
科: |
ウマ型亜科 Hippomorpha |
科: |
ウマ上科 Equoidea |
科: |
ウマ科 Equidae |
属: |
ウマ属 Equus |
種: |
caballus |
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学名 |
Equus caballus
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和名 |
ウマ
|
英名 |
Horse
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目次
[ 馬 ]
- 1 生物学的特徴
- 1.1 毛色
- 1.2 白斑
- 1.3 旋毛
- 1.4 進化
- 2 品種
- 2.1 野生種
- 2.2 軽種
- 2.3 中間種
- 2.4 重種
- 2.5 ポニー
- 2.6 在来種
- 3 人間とウマ
- 3.1 人間によるウマ利用の歴史
- 3.2 食用
- 3.3 乳用
- 3.4 民間医療薬として
- 3.5 尾毛
- 3.6 伝承・民話・神話
- 3.7 ウマの登場する諺、故事成語、慣用句、四字熟語など
- 3.8 楽曲
- 3.9 映画
- 3.10 TV
- 3.11 ドキュメンタリー
- 3.12 小説
- 3.13 キャラクター
- 3.14 その他
- 4 軍用馬
- 5 警察馬
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
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